タバコを吸っても吸わなくても危険!『妊娠中の喫煙のリスク』

高齢妊娠2015年5月22日 更新

タバコを吸っても吸わなくても危険!『妊娠中の喫煙のリスク』

喫煙と受動喫煙のリスク

妊娠中のタバコ喫煙は、ママとベビーに深刻なダメージを与えます。
しかも喫煙本数が多い程その危険性も増加します。

常位胎盤早期剥離、早産や流産、低出生体重児、先天異常、発達障害など、しっかりと学んでおきたい喫煙・受動喫煙のリスクについてご紹介します。

30代女性の喫煙

《喫煙率の変化》
男性:82.3%(昭和40年)→32.7%(平成24年)
女性:15.7%( 〃 ) →10.4%( 〃 )

 

この様に男性の喫煙率が約50ポイントも減少しているのに対し、女性はわずか5.3%と、あまり減少していません。

特に30代の喫煙率は15.4%(平成24年)と20代(11.4%)よりも高く、増加傾向にあります。

タバコに含まれる有害物質は200種類以上

タバコの煙にはニコチン、一酸化炭素、タールなど200種類以上の有害物質が含まれています。これらは胎盤やベビーに、大きく分けて次の2つの悪影響を及ぼす事が解っています。

1)血行不良

ニコチンが子宮や胎盤の血管を収縮させる為、血流が減少します。よって胎盤機能が低下し、その胎盤を通してベビーへの血流を悪くします。

2)酸素不足

一酸化炭素は酵素を運ぶヘモグロビンと結合しやすい為、酸素の運搬能力が低下します。この為、胎盤が正常に機能しなくなり、ベビーは慢性的な酸欠状態に陥ります。

妊娠中の喫煙は以上のような事が原因で、流産や早産、発育障害など様々なトラブルを引き起こします。特に高齢の場合は、更にリスクを高めます。そしてそのリスクは非喫煙者と比べると数倍になる事が報告されています。

「私は吸わないから大丈夫」と思った人、ちょっと待って!

家族や職場に喫煙者はいませんか?自分が吸わなくても、喫煙者の近くにいる事で煙を吸ってしまう「受動喫煙」は同等のリスクを伴います。

今妊娠中のプレママと妊活中の女性達へ、絶対に禁煙すべきその深刻なリスクについて紹介したいと思います。

ハイリスク妊娠

胎盤は、ママとベビーをつなぐ血液・酸素・栄養がとても豊富な組織。

喫煙による血流障害が子宮・卵巣・卵管の正常な働きを妨げ、胎盤の形成そのものにも悪影響を及ぼす事が解っています。

ママとベビーを危険にさらすハイリスク妊娠には次のようなものがあります。

1)子宮外妊娠

【子宮外妊娠】とはその名称の通り、受精卵が子宮内腔以外の場所に着床して発育することを言います。

そして残念ながら現代の医学ではベビーを助けることは出来ません。治療法としては経過をみる「待機療法」の他に「薬物療法」「手術」があります。

2)前置胎盤

【前置胎盤】とは胎盤が正常より低い位置に付着し、子宮の出口を覆っている状態を言います。

よってほぼ100%帝王切開による分娩となり、大量出血など母子共に危険な事態に陥る事があります。その発症率は喫煙者の場合、非喫煙者と比較して1.5倍高くなります。

3)常位胎盤早期剥離

【常位胎盤早期剥離】とは妊娠中、正常位置に付着している胎盤が胎児の娩出より先に剥がれてしまう事です。

そして胎児仮死、胎児死亡、子宮の摘出、更には母体の命も危険に晒す可能性がある重篤な疾患です。喫煙する妊婦の発症率は、非喫煙妊婦と比べて1.4~1.9倍に増加します。

流産のリスク

自然流産の原因の多くは胎児の“染色体異常”と言われています。タバコに含まれるドラジン・ベンゾピレンなどは、この染色体異常を引き起こす事が解っています。

たばこを吸っている妊婦は吸わない妊婦と比べて1.5倍ほど流産しやすく、1日15本以上喫煙した場合では約2倍に跳ね上がります。

早産のリスク

妊娠37週未満で起きる早産の大きな原因には「切迫早産」「前期破水」「絨毛羊膜炎」があります。

喫煙する妊婦は、吸わない妊婦よりも1.4~1.5倍ほど早産しやすくなります。また1日に吸う本数が多い程その確率は高くなります。

【妊娠中の喫煙本数と早産率】
1日喫煙本数:早産率
非喫煙者:6%
5本以上:7%
6~10本:11%
11~20本:13%
21~30本:25%
31本以上:33%
※日本産婦人科医会「飲酒、喫煙と先天異常」より

 

死産のリスク

【周産期死亡】とは妊娠28週以降の死産と、生後1週間未満の早期新生児死亡を指します。

喫煙する妊婦は非喫煙妊婦より、約1.2~1.4倍この確率が高くなります。

低出生体重児のリスク

【低出生体重児】とは、出生時に体重が2,500g未満の新生児の事を言います。

非喫煙妊婦と比較すると、喫煙する妊婦から低出生体重児が生まれる頻度は約2倍ほど高くなっています。

しかも本数が多いほど低体重になる傾向があり、非喫煙者と比べると170g~250g減少します。

無脳症のリスク

【無脳症】とは、お腹の中で後頭部の脳幹まで成長しますが、脳半球が形成されないという病気です。

ママのお腹の中では生きる事ができますが、100%死産すると言われています。無脳症児出産は妊娠中の喫煙によって頻度が上がり、1日9本以下の喫煙でも明らかな頻度の増加が認めれます。

ダウン症候群

【ダウン症候群(ダウン症)】は、体細胞の21番染色体が1本余分に存在し、計3本(トリソミー症)持つことによって発症する先天性の疾患群。

その中で2番目に多いとされる[卵子第2成熟分裂(MMⅡ)における染色体不分離に由来するダウン症候群]を対象としたデータによると、

妊婦の喫煙のダウン症発生率は非喫煙者の約3倍に増えています。

先天異常のリスク

喫煙によって先天異常が起こる確率は、非喫煙者と比べ1.3~1.6倍と言われています。

喫煙本数が増えると更にそのリスクは上がります。口唇裂は約1.4倍、口蓋裂は約1.2倍のリスクがあると報告されています。

他にも先天性心疾患・手足の欠損・腹壁破裂などの胎児奇形が増加すると言われ、小児ぜんそくや呼吸器疾患などを発症する確率も高くなります。

また1日10本以上の喫煙者の場合、ベビーの発達スコアが低下し知的能力への影響や「注意欠陥多動障害」などの発達障害との関連も報告されています。

今から禁煙しても間に合う?

妊娠前に禁煙すると、ベビーの出生体重は非喫煙妊婦と同じレベルになると言われています。

そして妊娠初期に吸っていても妊娠3~4カ月迄に禁煙出来れば、たばこを吸っていない妊婦のレベルに近づき、早産や週産期死亡についてのリスクも減少します。とにかく妊娠が解ったら禁煙しましょう。

喫煙は不妊の原因にも

タバコに含まれている化学物質は約4000種類と言われています。内200種類が有毒で、30種類は発がん性物質です。

これら有毒物質は、血流を悪くし二酸化炭素濃度を上昇させます。よって新鮮な酸素や栄養が子宮や卵巣に届かないばかりか、卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌量も減少します。

これではたとえ着床しても妊娠を継続する事が出来ず、不妊の原因にもなるのです。

乳幼児突然死症候群(SIDS)

【乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)】は、それまで元気だった赤ちゃんが事故や窒息ではなく“眠っている間に突然死亡してしまう病気”です。

厚生労働省によると両親が喫煙者の場合、喫煙しない場合の約4.7倍SIDSの発症率が高いという調査結果が出ています。

妊婦自身の喫煙はもちろん、妊婦や出産後ベビーの近くでの喫煙もよくありません。

副流煙による受動喫煙のリスク

自分ではタバコを吸わないのに喫煙者の周囲にいる事で煙を吸ってしまう「受動喫煙」。喫煙者とほぼ同じ影響を受ける為、これにより35~90g出生体重が減少するという報告があります。

他にも早産や流産等、喫煙する妊婦と同じリスクを抱える事になります。パートナーが喫煙者だったり、職場が分煙になっていない場合は要注意です。

タバコの影響を説明してご主人や職場の人にも協力してもらうようにしましょう。

百害あって一利なし

いかがでしたか?現在妊娠中というママはもちろん、妊娠を望む女性であれば「百害あって一利なし」。

健康で可愛いベビーに会う為にも、妊娠する前からタバコとサヨナラする事が大切です。

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